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リチウムイオンキャパシタ、電池など蓄電デバイスの特許のはなし

リチウムイオンキャパシタ、電池など蓄電デバイスの特許のはなし

リチウムイオン電池などの蓄電デバイスの国際標準化では、蓄電デバイスの開発と普及に国際標準化が果たしてきた役割についてお話ししましたが、今回は標準化と並んで開発者にとって必要不可欠なツールである特許についてご紹介します。

特許の持つ意味と役割

特許とは、有用な発明に対して、発明者がその発明を公開する代わりに、一定期間(日本では20年間)その発明を独占して使える仕組みです。

社会に大きな影響を与えるような特許を取得することは、発明者の誇りであるとともに、発明者が所属する企業にとっても、市場を制して売り上げを伸ばす上での最強の武器といえます。

発明者の誇りは、自らの発明が広く評価され、世の中の役に立つことにほかなりません。発明者が基礎研究者の場合、多くはその発明は論文という形で学会に発表され、世の中の評価を受けます。純粋な発明・発見であれば、それを最初に成し得た人がその栄誉に浴することになります。

一方、企業に所属する研究者にとって、発明を公表することは、その発明を他人に使われてしまうリスクを伴います。従って、発明を論文や学界の場で発表する前に、特許として出願しておく必要があるのです。

かつては基礎研究の方が応用研究よりも上位との風潮からか、学会では論文に比べて特許の価値が低く見られる傾向にありましたが、近年はその評価が見直されつつあります。

ノーベル賞の世界でも、実用に結び付いた発明・発見に対して授与される傾向が強まり、日本でも企業に所属していた人の発明・発見(田中耕一氏、中村修二氏、吉野彰氏など)の受賞が相次いでいますが、これらは論文はもとより、特許への高い評価に基づくものです。

蓄電デバイスの特許

バッテリーや蓄電装置の分野においても特許の重要性は変わりません。リチウムイオン電池のように世界規模で市場を形成しているデバイスは言うに及ばず、これからの市場進出を目指す新たなデバイス開発にとっても、その発明を戦略的に特許化していくことはとても大切な視点といえます。

開発者にとって、発明を権利化することと共に重要なのが、他社の権利を侵害しないという視点です。上述した通り、日本では特許が出願されてから20年が経過すると、その技術は自由に使えるようになります。従ってリチウムイオン電池が誕生して20年以上が経過した今日、それを作って売ることはみんなに与えられた権利です。

ただし、どんなリチウムイオン電池でも大丈夫かというと話は別です。リチウムイオン電池メーカー各社はそれぞれ、自社の製品に独自の改良を加え、その特徴を特許化するという努力を続けています。例えば電極材料として新しい材料Aを加えることで耐久性が向上した、といった具合です。これによって、他のメーカーは材料Aを使ったリチウムイオン電池を作ることができなくなります。

このように、新たな製品を開発する場合には、常にその技術が他社の特許を侵害していないかチェックしておく必要があるのです。

リチウムイオンキャパシタの特許

リチウムイオンキャパシタとは、一般的な電気二重層キャパシタの原理を使いながら負極材料としてリチウムイオン吸蔵可能な炭素系材料を使い、そこにリチウムイオンを添加することでエネルギー密度を向上させたキャパシタです。

リチウムイオンキャパシタは高出力、長寿命、高い安全性などの特徴を持ちますが、この

新しい蓄電デバイスの誕生と発展の歴史においても様々な特許が関わっています。

現在、様々なタイプのリチウムイオンキャパシタが実用化されている背景には、リチウムイオンキャパシタの大型化に貢献した垂直プレドープ技術の発明があります。この発明は1997年カネボウ株式会社から特許出願され、後に事業を引き継いだ株式会社スバルに移管されてリチウムイオンキャパシタメーカー各社にライセンス供与されました。(特許第3485935号)その発明に至る誕生の秘話についてはプレドープ技術を使った幻のリチウムイオン電池開発譚②をご覧ください。

この特許もリチウムイオン電池同様、出願から20年以上が経過した現在、誰でも使用できる状況にあります。ただしリチウムイオンキャパシタについてもその後、様々な改良特許が出願され続けていますので、開発の際には他社特許への侵害がないか、十分に配慮が必要なことは言うまでもありません。

蓄電デバイスと特許のはなしについてのまとめ

いかがだったでしょうか?今回はリチウムイオン電池、リチウムイオンキャパシタなどの蓄電デバイスと特許のはなしについてご紹介しました。

弊社では本日ご紹介したリチウムイオンキャパシタの開発・製造を行なっております。興味のある方はお気軽にお問い合わせください。

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