武蔵エナジーソリューションズが提案するMixed Power Supply System (前編)
「 武蔵エナジーソリューションズが提案するMixed Power Supply System (前編)」
2022年3月18日、第12回[国際]スマートグリッド展にて、武蔵エナジーソリューションズ株式会社の中島が「武蔵エナジーソリューションズが提案するMixed Power Supply System」をテーマにセミナーを行いました。
本セミナーでは、以下の項目についてセミナーを実施致しました。
- カーボンニュートラル実現に向けて
- リチウムイオンキャパシタを利用したFEMSについて
- リチウムイオンキャパシタを利用したマイクログリッドについて
本ブログでは、セミナー内容を抜粋して2回に分けてレポートいたします。
セミナーの動画はこちらから御覧になれます。
カーボンニュートラル実現に向けて
カーボンニュートラルとはCO2の排出量削減を中心に、CO2の吸収量を増やす植林なども行い、トータルでCO2排出をゼロにする活動になります。個人や企業では「省エネ」「創エネ」「蓄エネ」の導入が検討されています。これらに加えて、ムサシからは「活エネ」を提案させて頂きます。
「活エネ」とは、再生可能エネルギーが“活”躍する領域を増やし、また、エネルギーをこれまで以上に有効“活”用していくことを表しています。
再生可能エネルギー導入に対する課題
再生可能エネルギー導入に対する課題は、発電電力と消費電力が同じ量ではないといけないという大原則です。
発電電力と消費電力のバランスが崩れると、停電などが起こる危険性があります。今まで電力会社は、消費電力を絶えずチェックし発電電力を調整しバランスをとってきました。
再生可能エネルギーは天候次第で発電量が決まるため、消費電力に応じて発電電力を変えることが不得意です。再生可能エネルギーの割合が増えるとその変動を他の電源で調整することも難しく、バランスが取りにくい電源になります。
以上は、発電電力の課題ですが、電力バランスという観点からは、消費電力にも注目が必要です。
こちらの資料はグループ会社の武蔵精密工業武蔵精密工業株式会社 (musashi.co.jp)で実際に使用している加工設備になります。この加工機は、金属に穴あけや削りなどの加工を行っています。ドリルを回転させる、金属に加工する、ドリルの回転を止める、という動きを常時行っています。この間、通常の消費電力に比べて5倍程度の大きな消費電力が瞬間的に必要になります。また、回転を止めるとき、系統側の方に電力を戻す回生電力が発生します。この動きは金属加工の特殊な例だけではありません。
エレベーターやエスカレーターなど、定格電力と比べて瞬間的に大電力を流す設備は多くあります。決して特殊な負荷ではありません。
加工機などを多数導入している工場に対して、再生可能エネルギーは発電量が不安定、急峻な負荷変動が多い、発電量と負荷量のバランス取りが難しいため導入が難しいと考えられていました。
リチウムイオンキャパシタを利用したFEMS
ここにリチウムイオンキャパシタを活用した再生可能エネルギー導入を提案いたします。
リチウムイオンキャパシタは、瞬間的に大電力の充放電が可能です。また、サイクル寿命が優れているため、工作機械のように常時充放電を繰り返す場合にも劣化しにくいという特徴があります。
こちらに示しているように工作機械を使用している工場では、ある程度一定の電力を常時使っている中で、瞬間的な大電力の発生、回生電力として系統電力に戻っていく負荷変動がみられます。
急峻な負荷変動部分をリチウムイオンキャパシタで吸収します。低レートで持続性のある部分をリチウムイオン電池で吸収します。このように役割を分けて制御することで、安定した電力供給システムになると想定しています。
もう一つの効果として、大電力をリチウムイオンキャパシタが吸収するため、リチウムイオン電池は低レートの充放電になります。また充放電の一部をLICが吸収することで、リチウムイオン電池の充放電回数を減らすことができます。
つまりリチウムイオン電池に対しても負担を減らし、寿命を延ばすシステムになります。
後編では、具体的に弊社が提案する工場エネルギー管理システム(Factory Energy Management System/FEMS)のシステム構成について説明させて頂きます。
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