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リチウムイオンキャパシタの開発方向性(前編)

リチウムイオンキャパシタの開発方向性(前編)

2022年3月17日、第12回[国際]スマートグリッド展にて、武蔵エナジーソリューションズ株式会社開発部長の安東が「リチウムイオンキャパシタ開発の方向性」をテーマにセミナーを行いました。

本セミナーでは、以下の項目についてセミナーを実施致しました。

  • これからの社会に求められるもの
  • 広がるリチウムイオンキャパシタの用途
  • これからのリチウムイオンキャパシタ

本ブログは、セミナー内容を抜粋したレポートを3回に分けてお届けします。今回の前編では、「これからの社会に求められるもの」というテーマで、様々なソリューションについて説明をさせて頂きます。

これからの社会に求められるもの

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これまでの社会は大量生産、大量廃棄が行われる経済優先の時代でした。しかしこれからは、SDGs、カーボンニュートラルといった地球優先の時代に変わっていきます。それに合わせて、蓄電池も長く使う(長寿命化)、上手に長く使う(省資源化)が重要になっていきます。

このような状況でこそ、キャパシタの出番となります。リチウムイオンキャパシタは長寿命、高出力という特性を活かした提案をさせて頂きます。

まず一つ目は、メンテナンスフリーで高頻度に充電しながら長く使っていく方法をご提案します。

二つ目は、電池とキャパシタを共存させて上手に使っていく方法です。電池とキャパシタは得意分野が違います。電池はたくさんのエネルギーを貯めるのが得意であり、大きな電流を流すのはあまり得意ではありません。なので、大きな電流を流すためには、たくさんの電池を搭載しなければなりませんでした。一方、キャパシタは大きな電流を流すことが得意です。そこで、電池とキャパシタを組み合わせると少ない電池の搭載量でも、大きな電流を流せるようになるのです。このように、電池の搭載量を減らして、省資源化に貢献できる方法をご提案いたします。

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リチウムイオンキャパシタは、リチウムイオン電池の負極材料と、電気二重層キャパシタの正極材をハイブリッド化して作ったものになります。そして、圧倒的な充電性能、出力性能、耐久性、そして安全性、環境適合性を有しています。リチウムイオンキャパシタを採用することで電池では実現できなかった新しい産業が興り、新しい社会が実現するものと期待しています。

これからの社会に求められているGX、DX、MasS、CASEに向けてリチウムイオンキャパシタを活用していただきたいと考えております。

開発ロードマップ

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こちらは開発のロードマップです。

現在の弊社の製品ラインナップは角型セルの4100F、3300Fとなります。この既存技術をベースに高容量化した、2Ah:4500Fを次期商品としても考えております。また、その先には更なる高エネルギー化を検討中です。青い矢印では材料開発による高エネルギー化へのアプローチであり、正極の活性炭とレドックス材料をハイブリッド化し、3Ah、5Ahを目指します。高容量化することで、燃料電池自動車(FCV)などの電池のアシスト用途への採用を目指します。さらに低温特性にも優れた5Ahでは、電気自動車(EV)のバックアップ電源としての活用に期待しています。

一方、緑の矢印はハイブリッド構成によるアプローチであり、HLID(https://www.musashi.co.jp/blog/12_1.html)と呼ぶ新しい蓄電デバイスの開発になります。

中編では、ますます広がっていくリチウムイオンキャパシタの用途について、また後編では、これからのリチウムイオンキャパシタの方向性について説明させて頂きます。

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