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リチウムイオンキャパシタの開発方向性(中編)

リチウムイオンキャパシタの開発方向性(中編)

2022年3月17日、第12回[国際]スマートグリッド展にて、武蔵エナジーソリューションズ株式会社開発部長の安東が「リチウムイオンキャパシタ開発の方向性」をテーマにセミナーを行いました。

本ブログは、セミナー内容を抜粋したレポートを3回に分けた、中編になります。

前編では、これからの社会に求められるもの、という観点からなぜキャパシタが必要とされるかについて説明させて頂きました。中編では、ますます広がっていくリチウムイオンキャパシタの用途について説明させて頂きます。

広がるリチウムイオンキャパシタの用途

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ここでは様々なリチウムイオンキャパシタ(LIC)の使い方を提案させていただきます。

LICの長寿命な性質を活かし、様々な製品を長寿命化していきます。また高入出力特性を活かし、急速充電と組み合わせた用途でもご活用頂けます。

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搬送機への活用

リチウムイオンキャパシタは長寿命であり、長くお使いいただけます。

その特長を活かした応用例として、搬送機へのリチウムイオンキャパシタ搭載事例を紹介いたします。

工場で使用する搬送機には省エネ、CO2削減、廃棄物の削減が求められていますが、リチウムイオンキャパシタを搭載することで、回生エネルギーの利用により50%程度の省エネ効果が期待できます。

また、100万回使っても、容量維持率が95%、内部抵抗は10%も変わらず長期間使えるため、バッテリー廃棄コストも削減できます。

さらに、急速充電で充電待ち時間を削減し、稼働率が向上されます。

電池入れ替え時間なども削減し管理コストの低減、ケーブルレス化による工事コストや資源の削減により、カーボンニュートラルに貢献する製品へと進化できる提案になっています。

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自動車への搭載例

次に自動車への搭載例のご紹介です。今後広がっていく電気自動車(EV)化、自動運転などではバッテリートラブルが起こった時でも、安全に停止できることが求められます。

バッテリーを複数設置する方法もありますが、スペースや寿命の問題が発生します。そこにリチウムイオンキャパシタを使っていただくことで、小型化長寿命化が実現できます。リチウムイオンキャパシタというのは、単位重量当たり、あるいは単位体積あたり最も出力のある蓄電デバイスになりますので、最も小さいサイズでモーターを回すことが可能となります。更に、低温時などでも安心してご使用いただけます。

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リチウムイオンキャパシタと他の動力源との共存

続いて、他の動力源とリチウムイオンキャパシタを共存させた実績とご提案です。

ハイブリッド建機ではエンジンとリチウムイオンキャパシタの組合せで低燃費を実現しています。また、フォークリフト向けの鉛電池などは、荷揚げするときに大きな出力が必要です。リチウムイオンキャパシタを組み合わせると、鉛への負荷が小さくなり、鉛電池の寿命が延びるのではと構想し、検証を行っています。

他にもEスクーターや超小型EVなどでも電池とキャパシタを併用させることによって、よりよい効率的な使い方ができると考えています。

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燃料電池とリチウムイオンキャパシタの組み合わせ事例のご紹介です。燃料電池自動車(FCV)では急激な負荷変動により燃料電池(FC)は劣化していくと言われてます。起動時や加速などの急激な負荷変動はリチウムイオンキャパシタが補うことで、燃料電池(FC)への負荷を低減し長寿命化します。また減速や下降などの回生エネルギーをリチウムイオンキャパシタに回収することで、水素燃費の向上も実現します。今後の水素社会においてもリチウムイオンキャパシタは貢献できると予想しております。

中編では、ますます広がっていくリチウムイオンキャパシタの用途についてご紹介しました。後編では、これからのリチウムイオンキャパシタの方向性について説明させて頂きます。

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